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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「獄門島」を読んでみた

Books

獄門島......タイトルからして何やら不吉な匂い満点である。横溝さんの作品だし、きっとおどろおどろしい話なんだよね、と勝手に敬遠していた本書。
あるサイトで調べモノをしていた時に、"週刊文春』が推理作家や推理小説の愛好者ら約500名のアンケートにより選出した「東西ミステリーベスト100」の国内編で、本作品は1985年版と2012年版のいずれにおいても1位に選出されている"との記事を発見。
2012年でも1位!?4年前のアンケートでも1位って、すごいじゃないか。1947年に書かれたものが、いまだに1位って、どんだけ凄い小説なんだ?
ってことで、さっそく読んでみた。

文体はさすがに古臭いけど、なるほどね、たしかに面白い。
日本の推理小説界でも屈指の"有名"探偵、金田一耕助が戦友の遺言を託されて獄門島にやって来るところから物語が始まる。その遺言とは、戦友の3人の妹を守ること・・・。
ところがこの3人の妹が連続殺人の犠牲者になってしまう、というのが大まかなストーリーである。

このストーリーを進めていくえでの肉付けが上手いんだよなぁ。島の支配階級である本鬼頭家とそれに対立する分鬼頭家。どこか古い因習に囚われているような住人。情景描写も昭和21年の様子が伝わってくるほどの湿った筆致。第一の事件が起きる前に、すでに物語に引き込まれていた。

A・クリスティの「そして誰もいなくなった」なんかで有名な"見立て殺人"を本書でも使っている。本書では俳句を使った"見立て殺人"である。
本書は犯人を捜すだけの推理小説じゃなくて、小さな謎もいろいろと配置されている。動機は?犯人は誰か?という謎の他に、島に住む人たちの言動にも謎があるのだ。
マニアの間では有名な一節らしいけど、
「気ちがいじゃが仕方がない。」の言葉・・・。
ある人物の言葉なんだけど、この言葉に金田一耕助は悩まされることになる。
あ~、そういう事だったのか!と納得するのは、物語の最終盤になってからだけど、上手いよなぁ。

読んでいる間、怪しい人物だらけで犯人を推理するどころじゃなかった。金田一耕助の他は、みな怪しく思えてくる。

この小説を読んで一番のお気に入りは、最後の最後の場面だ。犯人もわかり、動機もわかった後の描写なんだが、「復員詐欺」についてサラリと書かれている。
ここの場面だけで、犯行の意義が根底から崩れてしまう。
ダメ押しを食らった気分だ。この短い場面が有るのと無いのとでは読後の印象もかなり変わるハズ。
期待して読み始めたけど、期待に応えるだけの作品だった。

☆4個

背表紙~

獄門島-江戸三百年を通じて流刑の地とされてきた子の島へ金田一耕助が渡ったのは復員船の中で死んだ戦友、鬼頭千万太に遺言を託されたためであった。「三人の妹たちが殺される...おれの代わりに獄門島へ行ってくれ...」瀬戸内海に浮かぶ小島で金田一は、美しい三姉妹に会った。だがその後、遺言通り悪夢のような連続殺人事件が!後世の推理作家に多大な影響を与え、今なお燦然と輝く、ミステリーの金字塔!!

なんていうか、この"ひっくり返される"感覚があるから、ミステリー読みは止められないんだよなぁ。

 

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