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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「父からの手紙」を読んでみた

Books

徹夜してしまった......仕事に行かなきゃなのに...。
小杉健治、聞いた事のない作家だけど、背表紙の文章に惹かれて購入。予想以上に良かった。

構成はミステリーでも有りがちな構成で、二つの別々の物語が交互に語られるというもの。この二つの物語が、どのように結びつくのかが大きな焦点となっている。
また、動機や事件の真相をに興味を持たせるのはもちろんだが、家族の絆、父と子の愛情について語られている部分が本書の特徴だと思う、

麻美子と伸吾の姉弟の元には十年前に失踪した父から、毎年、誕生日に手紙が届いている。しかし、麻美子の婚約者が殺され、弟の伸吾が容疑者と逮捕されるというとんでもない事態が起きる。
一方、9年の刑期を終えて出所した圭一は、自分が殺人を犯すキッカケとなった兄の焼身自殺について調べ始めるのだが、そこで明らかになっていく兄嫁の怪しい行動...。

この二つの物語、いったいどこで繋がるのか、全然、見当も付かない。なにしろ材料が小出しにしか提示されない。かといって、読んでいてダレることもなく、先が気になるから寝る時間を削ってでも読みたくなってしまった。人物の描写というよりも、配置が上手いんだよな。内面の描写で読ませるんじゃなくて、気になる人物を気になりそうな場所で描いてる。

なぜ父は姿を消したのか?これが最大の謎なんだけど、読み終わって思うのは...
う~ん、他に方法なかったのか!?
って思った。お父さん、馬鹿なことしちゃったなぁ!ってのが正直な感想。妻や子への愛情あってのことなんだろうけど、やり方が違うよね...。
そうは思いつつも、ラストの場面、ちょっと泣ける場面だった。泣かせよう!って作者の意図が見える気もするけど、父親の心情を思うと、泣ける...。

ミステリーの謎解きとしても水準レベルはあるな。プラス父から子への愛を描いたところが良かったなぁ。父親の選んだ行動の是非は別な話だけど...。

☆4個

背表紙~

家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作。

うん、人と人との絆だ!本書はそこにも触れてる。圭一の兄の....。これ以上書くとネタバレになっちゃうな。
たしかに父から子への愛情だけでなく、人と人との信頼というか絆にも触れている。
良い小説だった。

 

父からの手紙 [ 小杉健治 ]

価格:699円
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感想(2件)