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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「悲しみのイレーヌ」を読んでみた

Books

話題作との事で読んでみようと思ったんだけど、どちらを先に読むか迷ったのが、「悲しみのイレーヌ」と「その女アレックス」...。日本では「その女~」の方が先に翻訳出版されてるけど、ここはやっぱり本国フランスでの出版順に読んでみようと、作者のデビュー作「悲しみのイレーヌ」を選択。
水準以上の出来だな。というか、水準を大幅に上回ってる。

残忍な手口の殺人事件。その捜査に当たる事になったヴェルーヴェン警部。やがて過去の未解決事件との共通点が明らかになり...。この共通点が上手い!登場人物もほどよく個性的で、読んでいてワクワクする。謎の配置も絶妙で、寝るタイミングを逃してしまった。キリの良いところで寝ようと思っても、次から次に事件やら謎が...。徹夜本である。

第一部、第二部、エピローグの構成なんだけど、第一部と第二部の「いびつな二重構造」、これにはたまげたな...。
第一部の終わりで、「えっ!?どういう事だ?」って思わせる離れ技!ここで、こう来るかぁ!って感じだ。まさに予想外、驚天動地!
タイトルのイレーヌとは、主人公・ヴェルーヴェン警部の妻なんだけど、彼女が誘拐されてからは、サスペンス度もマックス。まさに眠気も吹っ飛ぶ疾走感だったな。

嫌~な人間も出てくるんだけど、例えば新聞記者のビュイッソン。この人物、明らかに怪しいんだよね。で、読んでいる途中で思ったんだが、「これ、映画『セブン』と似てるよな」って。『セブン』でも新聞記者が怪しかった。というかモロに犯人だったし。結果的に、かなり映画『セブン』に似てたな。このあたりの着想というかアイデアというか、『セブン』のパクリと言われても仕方ないレベルだと思うなぁ。
胡散臭い新聞記者とか、後半に主人公の妻が誘拐されるなんて、『セブン』そのまんまだ。

でも、それを差し引いても、充分に楽しめた一冊だった。犯人の歪んだ欲望と「過去の推理小説」というアイテム、それを踏まえての「いびつな二重構造」は読んで後悔させないレベルだった。

☆4個

背表紙~

異様な手口で惨殺された二人の女。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第二の事件が発生。カミーユは事件の恐るべき共通点を発見する......。「その女アレックス」の著者が放つミステリ賞4冠に輝く衝撃作。あまりに悪意に満ちた犯罪計画━あなたも犯人の悪意から逃れられない。

すごい悪意だったな。おかげで読後感も良くない。もちろんハッピーエンドじゃない。でも次作「その女アレックス」を読みたいと思う欲求は強烈になったな。それだけの磁力を持つ作品だ。少し間を空けてから次作を読もうかな。連続で読むには、このシリーズは少々重いからなぁ。
『セブン』を観てなかったら☆5個だったけどなぁ。あれを観ていたせいで、流れが予想できちゃったんだよなぁ...。

 

悲しみのイレーヌ [ ピエール・ルメートル ]

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感想(3件)