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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「僕たちの戦争」を読んでみた

Books
いわゆるタイムスリップ物だけど、予想に以上に良かった!これまで読んだタイムスリップ物の中でも、トップクラスの満足度。

現在から過去へタイムスリップした若者と、過去から現在へタイムスリップした若者を交互に描くことで、物語が骨太になってるし、この二人が顔も体型も性癖も瓜二つなのに性格は正反対という設定が、ストーリーに深みを増している。

現代から昭和19年の日本にタイムスリップして苦労する尾島健太、昭和19年から現代の日本へタイムスリップしてやはり苦労する石庭吾一、この二人の若者を、時に笑いを誘う表現で描き、時にせつなく描き、ラストまで一気に読めてしまった。

昭和19年と現代を対比する形で描いており、現代社会への批判・警鐘、また戦争中の日本への反省なども、物語の中で上手く表現されていて、同じように現代と戦中を対比している「永遠の0」とは雲泥の差。本書の方が、はるかに良心的、つまり表現が奥ゆかしいだけに、「永遠の0」のような嫌らしさを感じさせない。

タイムスリップ物だからSFという括りもできるが、SF臭さは微塵もない。
良質な青春小説と言っても良いし、二人の青年の成長物語とも言える。

ラスト、どちらがミナミの元に戻ってくるのか・・・自分としては吾一であって欲しいけど・・・。もう少し続きを読みたい気がする。ラストの結末は読者に判断を委ねているのだが、ハッキリさせて欲しいという気持ちと、知りたくない気持ちが少し・・・。

ブックオフでたまたま見かけて買った本だけど、良い本を読めて満足。