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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「くちびるに歌を」を読んでみた

Books

先ほどまで知らなかったのだが、中田永一とは乙一の別名義だとの事。驚いた・・・。

物語は読み始めてからしばらくは、平凡な児童・青春小説かな、と思ったが・・・良い意味で裏切られた。
長崎県五島列島に暮らす中学生たちが、合唱部でNHK全国音楽コンクールを目指すというお話。長崎県の地区大会までのストーリー。

生徒それぞれが抱えている問題やそれに向かい合う生徒たちの心理なんかは引き込まれる描写。
課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」の使い方も上手い。登場人物たちが十五年後の自分に手紙を書くというアイデアは上手いし、生徒たちそれぞれの気持ちを上手く表現していて、この小説をただの児童書にしていない一因でもある。

内省的な桑原サトルが特に良かった。
物語は、なかなか盛り上がりに向かわないのだが、コンクール当日の描写は目頭を熱くするするものがあった。彼らと同年代の時に読んでいたら、また違った感想を持ったかもしれないが、大人にも充分に楽しめる作品。

五島列島の子供たちだから成り立ったのかもしれないとも思う。これが都会の子供たちなら、同じような作風にはならなかったのではないだろうか。

五島列島に行ってみたくなった・・・。


くちびるに歌を [ 中田永一 ]

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感想(3件)