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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「月と蟹」を読んでみた

Books

第144回直木賞の受賞作。

小学生の慎一と春也は「ヤドカミ様」なる願い事遊びを考え出す。1
00円欲しい、いじめっ子をこらしめる――他愛ない儀式はいつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。

人が殺されるわけでもなく、物語自体は暗いトーンで淡々と進むが、ラストに向けてのドキドキ感は「さすが道尾秀介」と思わせる筆致で、ページをめくる手も早くなる。
物語中盤までは作者の「向日葵~」と似たようなトーンだなと思ってたが、読み終えた今は、道尾秀介の新境地を見た思いがする。
「ソロモンの犬」のように洒落た人物が登場するでもなく、笑いを誘うような会話も無い。
また、同じように小学生を主人公にした「向日葵~」や「シャドウ」とも異なる読後感。

どこにでも有りそうな生活の一場面・・・それでいて、ドキドキ感を覚える描写。堪能しました。