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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「黄金を抱いて翔べ」を読んでみた

Books

これまで読んだ高村薫の作品は、「埃っぽくて、ある種の不快さを伴うような暑苦しさ」を感じさせるものが多かったけど、デビュー作の本書もそれを濃厚に感じさせる一冊だった。
「マークすの山」や「照柿」と同じような暑苦しさを感じながら読んだ。

銀行の地下に眠る金塊を奪う6人の男・・・。


面白そうだなと思って手に取ったんだが、満足できなかった。
まず、どうして紙幣じゃなくて金塊なのか?明らかに説明不足。そもそも6人の男たちの動機が書かれていない。単なる愉快犯でもなそうだし、この辺りがハッキリ描かれてないと自分的には物語に入り込めない。
また、左翼団体やら公安やら出てくるけど、これも消化不良。目的もイマイチ明らかにされないし、「それでどうなった?」という疑問が最期まで解けず。
冒頭の殺人事件や子供の頃の協会の放火事件など、本書に書かれる必然性が理解できない・・・。

情景なんかの描写はホントに上手い(暑苦しさを感じるほど)だが、物語の核となる部分があやふやだから、最期まで楽しめなかった。

B級のハリウッド映画じゃないんだから、6人もの男が集まって「銀行の金塊を獲ろうぜ!」、「OK!」みたいなノリで犯行を起こされても、読んでるこちらは「?」と言わざるを得ない。左翼や公安やら出てきても、最後に収束されてないのも不満。これなら出てこない方がマシ・・・。


計画の準備段階なんか丁寧に描かれているのにもったいない。

☆3個

読了後、本書の映画版を観たんだが、これ、あれだな。
本を読んでなくて映画だけ観ても、それこそ意味不明じゃないのか?

背表紙~
大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果たして突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋は切られた。
日本推理サスペンス大賞受賞、圧倒的な迫力と正確無比ななディテイルで絶賛を浴びた、著者のデビュー



黄金を抱いて翔べ [ 高村薫 ]

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感想(52件)