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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「解錠師」を読んでみた

Books

刑務所に入って10年を迎える20代の解錠師(金庫破り)の回想から始まる物語。
なかなか読ませる内容だった。
ただ、回想の部分が二重になっており、「少年時代から解錠師になるまで」と「解錠師になってから」の二つの回想が交互に語られており、やや解りにくい部分もあった。

主人公マイクルは本編を通じて一言も話さない(もちろん心の中の描写はある)が、この辺りの着眼点は新鮮だった。子供のときの「ある事件」をキッカケに話す事を止めた(出来なくなった)主人公の青春物語でもある。

恋人アメリアと漫画を描いて会話するシーンは、青春ドラマのような雰囲気。マイクルを応援したくなる描写だ。対象的に金庫破りのシーンは、緊迫感が満載。主人公マイクルの心の光と闇をよく描いてる。色違いのテープを貼った5個のポケベルなど、小物の使い方も洒落ていて好感。

後半はスピード感が増し一気に読めてしまうけど、最期まで過去の二重の回想になっているため、ノリ切れない感じもある。
いよいよ、これからどうなる?って所で、別な回想の章に行くために、トップスピードに乗ったところでギアを落とすような・・・。

子供の時の言葉を無くすキッカケとなった事件とは何か?どのようにして解錠師になったのか?などの謎を描きながら物語は佳境へ・・・。

主人公が子供の頃に住んでた家の壁に絵を描きながら、アメリアに過去の事件を説明するシーンは切ない・・・。翻訳モノにしては珍しく、ウルッときそうになったな。

構成が自分には合わないから☆3個にしたけど、読んで損の無い内容。

青春ハードボイルドと言うような小説。

背表紙~
八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。孤独な彼は錠前を友に成長する。やがて高校生となったある日、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師に・・・・・・非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描き、MWA章最優秀長編賞、CWA章スティール・ダガー章など世界のミステリ賞を獲得した話題作。

作中、「釣り帽子」なる言葉が何度か出てくるんだが(わりと重要な役どころの人物のあだ名)、釣り帽子って何なのか、さっぱりイメージ出来なかった。釣り用の帽子って事なのかな?この辺りは、分かりやすく記述してほしいと訳者に要望(笑)

ラストは未来に希望の持てるラストで良かった。
心ならずも解錠師になったマイクルを応援したくなるラスト。
けっこう厚い本書だけど、オススメできる一冊。



解錠師 [ スティーヴ・ハミルトン ]

価格:1,015円
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感想(7件)