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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「こわれもの」を読んでみた

Books
[浦賀和宏]


この浦賀和宏って作者、上手いな。
「彼女は存在しない」を読んで気になってたんだけど、たまたま本屋で見かけて、本書を購入。「彼女は~」以上に上手さが光ってるんじゃないか?人物の描写も上手く描けてる。
というか、上手すぎる。

本書の中に「オタク」が登場するんだが、この人物の描きかたなんか上手すぎて、読みながら嫌悪感さえ感じさせる描写。あまりに嫌悪感が強くなって、読むのを止めようかと思ったほどだ。これほど嫌な登場人物は久々に出会ったな。

あまりの嫌さ加減に挫折しかけたんだけど、後半1/3からは怒涛の展開で一気にラストまで持っていく推進力。
二転三転するストーリー、背筋がス~ッと寒くなるような伏線の回収(手前と奥に本を並べてる本棚)など、お見事と言うほかない出来栄え。

最後の最後で、もう1回、ダメ押しのドンデン返し。
読み終わった!と思って、「あとがき」、「解説」を読むつもりでページをめくると、まだ物語が続いており、ここから思いもしない展開。わずかに未来に希望を持たせる描写で終わってた。

二読、三読すると、もっと良さが伝わってくる小説だと思う。

☆5個

背表紙~
ある日突然、婚約者の里美を事故で失った漫画家の陣内龍二は、衝撃のあまり、連載中の漫画のヒロインを作中で殺してしまう。ファンレターは罵倒の嵐。だがそのなかに、里美の死を予知する手紙があった。送り主の神埼美佐とは何者か。本当に死を予知する能力があるのか。失われた恋人への狂おしい想いの果てに、陣内が辿り着く予測不能の真実!最後の1ページであなたは何を想いますか?

うん、たしかに最後の1ページまで気の抜けない小説だ。

この作者、もっと売れても良いと思う。



こわれもの [ 浦賀和宏 ]

価格:699円
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感想(1件)