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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「ラバー・ソウル」を読んでみた

Books

岡嶋二人「99%の誘拐」クラインの壷は読んでいたけど、ソロになってからの井上作品を読むのは今作が初。何を読もうか迷っていたところ、各書評サイトなどで評判のラバー・ソウルを選択。
うん、正解だったな。堪能しました!

女性モデルと彼女に執拗に付きまとうストーカー、その関係者たちへの「事情聴取」で構成されてる本書。
いやぁ、このストーカー、すごいわ・・・。
独りよがりな考え、胸くその悪くなるような行動、読んでる途中、何度も本書を放り出したくなった。本を読んでて、ここまで気分の悪くなる登場人物は珍しい。岡嶋二人の文体をイメージしてただけに、「こんなモノも書けるのかぁ!」と驚いたな。

ストーカーの心理描写も丁寧に描かれているし、被害を受ける女性モデルの恐怖もヒシヒシと伝わってくる展開は、本書を投げ出したいけど、どんどんページをめくってしまうというジレンマ・・・。

読んでる間、このストーカーのイメージで、宮崎勤を思いだした。犯罪の性質は違うけど、ストーカーの心理描写や部屋の様子が、あの事件を思い出させたんだろうと思う。
それぐらい気持ち悪く、胸くその悪くなるストーカー描写だったんだが・・・。

ところが、ラストで急展開
急展開というよりも表と裏が反転
これまでの、このストーカーに対するネガティブな印象がガラッと変わってしまった。
なんとも言えない読後感だ。

ビートルズのアルバムをタイトルにして、アルバムの中の各曲を各章のタイトルにしてる本書。各章もそれぞれの曲名に沿う内容になっていて、ビートルズファンの自分としては、この辺りも楽しめた。

☆5個

背表紙~

幼い頃から友だちがいたことはなかった。両親からも顔をそむけられていた。36年間女性にも無縁だった。何度も自殺を試みた━そんな鈴木誠と社会の唯一の繋がりは、洋楽専門誌でのマニアをも唸らせるビートルズ評論だった。その撮影で、鈴木は美しきモデル、美縞絵里と出会う。心が震える、衝撃のサスペンス。

うん、サスペンス要素もバッチリだった。
なんとも言えない読後感だけど、東野圭吾容疑者Xの献身を思い出したな。

ストーカーの異常心理や行動に、何度も読むのを止めようかと思ったけど、最後まで読んで良かった。気分を悪くする登場人物なのに、放り出すことも出来ずグイグイ読ませる推進力のある文章。

本書の解説にもあるが、「予想外の結末にもう一度最初からページをめくりたくなる」とあるが、自分も、これからまた、ページをめくろうと思う。


ラバー・ソウル [ 井上夢人 ]

価格:1,058円
(2016/5/28 15:00時点)
感想(1件)