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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「川の深さは」を読んでみた

Books

福井晴敏の処女作とのことで読んでみたが、たしかに福井さんのカラーが処女作から前面に押し出されてる。映画化された亡国のイージスと同じような匂いのする作品。硬質な文章、読者を引き込む展開の妙、処女作からかなりの熱量を感じる出来栄え。

元警察官のグータラ警備員が、ひょんな事から少年と少女を匿ったことから始まる物語。某新興宗教団体の地下鉄テロ事件をバックボーンに、国歌の暗部に迫る内容は、「なるほど、こういう切り口で書いてきたのか!」と興味深く読むことが出来た。

序盤から中盤にかけては、秘密組織やヤクザなどとの追跡劇とも言える展開で、ページをめくる手も休む事なくすすむ。それが、防衛庁の地下での爆破やらドンパチ(銃撃戦)のあたりにくると、さすがに現実感が乏しく感じた。
さらに、いくら特殊な訓練を受けてるとはいえ、少年が元警察官を戦闘ヘリに乗せて日本海へと向かうとなると・・・。
ましてやイージス艦と戦闘・・・。
ここまでくると、もはや劇画の世界。マンガを読んでる感覚になってしまった。

国家間の謀略戦の匂いをさせながら、結局は日本国内の組織間の争いに物語が収束してしまうのも好みじゃないんだよなぁ。

☆3個

背表紙~

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。出版界の話題を独占した必涙の処女作。

良くも悪くも劇画的な小説だった。映画にすれば面白いかもしれないけど、この物語をすべて文章で追うとなると、なかなか厳しいんじゃないかなぁ。
でも、ラストは、未来に希望を持たせる描写で好感。



川の深さは [ 福井晴敏 ]

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感想(7件)