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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「ボトルネック」を読んでみた

Books

まいったな・・・。
すごい暗い小説だった。文体はラノベみたいな軽い文体なのに、内容はどんよりと灰色・・・。
パラレルワールドを扱ったものという予備知識は有ったんだけど、ここまで未来に希望が持てない物語とはなぁ。

二年前に亡くなった恋人を弔うため東尋坊を訪れた嵯峨野リョウ。そこで何かに誘われるように崖から墜落するのだが、気がついた場所は自分が生まれ育った見慣れた町。しかし、そこはリョウが存在しないパラレルワールドだった。

登場人物の名前も何かを暗示させるような名前で、気味悪く感じる。ハジメ、リョウ、サキ、ノゾミ、フミカ、川守という名の子ども・・・。
自分が居た世界とパラレルワールドの違いを受け止める主人公・リョウ。やがて彼は、ある一つの考えに至り・・・。

この主人公、すごく性格が暗い。家庭の環境によるものだと思うけど、彼が存在していなかったパラレルワールドの家庭は・・・。リョウの存在していた世界の人物たちと、パラレルワールドの人物たちの性格の対比も上手く描けてる。と、思ったところ、実は基本の性格はどちらの世界の人物たちも同じ・・・。それに気づいたリョウの取る行動は・・・?

あ~、この小説、細かい仕掛けがいろいろ有って、上手くまとめきれない。この小説の良さ・凄さは一読じゃ掴みきれない。少し時間をおいて再読してみると、また違った「気づき」があると思う。

ラノベのような読みやすい文体なのに、くら~い雰囲気の小説・・・。読んでるこちらまで、どんよりとした気分になってたんだけど、最後の一行でトドメを刺されたなぁ。
この一行、自分的には、「うわ~っ!」って声をあげそうになった。この一行を読むためだけに、本書を読んでも良いくらいのインパクト。
リョウの最後の行動はハッキリと書かれてなくて、そこらへんは読者に判断を委ねてるんだろうけど、この一行を読むとなぁ・・・やっぱり〇〇〇しちゃうんじゃないかなぁ?と思った。

☆4個

背表紙~

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていた僕は、何かに誘われるように断崖から墜落した・・・はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻った僕を迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、僕は「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描ききる、青春ミステリの金字塔。

いろいろ仕掛けが隠されてる本書。二度、三度と読むと、新しい発見がありそうだな。

ボトルネック [ 米澤穂信 ]

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感想(34件)