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夜と朝のあいだ

東海地方に住む独身男のノート

アキラです。バツ無し独身男のノート。

「仏果を得ず」を読んでみた

Books

面白い!って言いたいんだけど、ちょっと厳しいな。
文楽の若手太夫・・・彼の芸に打ち込む姿と恋を描いた作品なんだけど、読み始めて少し後悔・・・。

そもそも文楽に何の知識も素養もない人間がいきなり読んでも、この小説の良さを100%楽しめない事に気づいてしまった。
たまにNHKなんかで伝統芸能を放送してるけど、すぐにチャンネルを変えてしまうし、そもそも文楽も能も狂言も区別がついてない人間には、いささか高いハードルだったな。

各章のタイトルもそれぞれが文楽の有名な演目から取られているんだけど、その演目の内容も知らないんで、なかなか作者の言わんとする意図を計りかねた。さすがに、各演目については、それぞれ簡単に説明されてるけど、あらかじめ知っているのと知らないのとでは、物語に入り込む深度が違うんだよなぁ。
文楽の用語なんかは、読みながら何となく理解できるんだけどね。

でも、文楽の世界の人間関係なんかの描き方は、楽しく読める。どの人物も個性的に描かれているし、芸に打ち込む姿なんかは美しく感じる。
芸と恋に悩む若手太夫・健の躍動感もあり、一息に読ませる推進力のある小説だった。

ただ、若手とは言え30前後の男が、一目惚れして恋に落ちるのが唐突な気がするなぁ。しかも両思いだし。
簡単にセックスしちゃうし・・・。
恋とは切り離して、文楽の世界の愉快な人間関係や芸に打ち込む姿だけを描いたほうが、自分の好みではあるけど、そうすると芸か恋か悩む主人公の姿にならないだろうし・・・。

どなたかのレビューで、「この本を読む前に同じ作者の『あやつられ文楽観賞』というエッセイを読んでいたほうが楽しめる」って書かれていたけど、そうすれば良かったなぁ。

☆3個

背表紙~

高校の修学旅行で人形浄瑠璃文楽を観劇した健は、義太夫を語る太夫のエネルギーに圧倒されその虜になる。以来、義太夫を極めるため、傍からはバカに見えるほどの情熱を傾ける中、ある女性に恋をする。芸か恋か。悩む健は、人を愛することで義太夫の肝をつかんでいく。若手太夫の成長を描く青春小説の傑作。直木賞作家が愛をこめて語ります。

読後、Youtube文楽を観た。観たと言っても、文楽の入門動画のようなものだけど・・・。
実際に、この目で観劇したくなった!
さっそく、積読になってる「あやつられ文楽観賞」を読もう・・・。

仏果を得ず [ 三浦しをん ]

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